「鼻行類」のご紹介
「鼻行類」ハラルト・シュテュンプケ、日高敏隆・羽田節子 訳、平凡社ライブラリー
鼻行類というタイトルですが、生物学の用語としては「鼻行目(もく)」。
人間はサル目ヒト科、食肉目はネコ、イヌ、クマ、アライグマも含みます。
鼻行目も、多くの種類を含む大きなグループです。
鼻行類の原産地ハイアイアイ群島は、1941年に日本軍の捕虜収容所から脱走したスウェーデン人が漂着するまでヨーロッパ人に発見されなかった島々。
島の様子や鼻行類がヨーロッパに知られていくいきさつが書かれた「序論」、鼻行類(鼻行目)の全体的な特徴が書かれた「総論」、その後いろいろなかわいい鼻行類たちが紹介されています。
例えば、
ヘッケルムカシハナアルキは単鼻類(亜目)の一種で、鼻は移動器官としてはまだまったく不適当であって、捕えた獲物を食べるさいの支えとして役立つにすぎない。
とか、
トビハナアルキ科の鼻は3つの節から成っている。鼻腿、鼻脛、最後に自由鼻の性格をもつ鼻指に連なっている。
などなど。
ナキハナムカデは、なぜか後期胎児の絵しか無いのが残念です。
成長すると1.5メートルに達する(オニハナムカデは2.2メートル!)ので、その迫力ある姿も見てみたいものです。
文一総合出版さんの「鼻行類ハンドブック」が待たれますね。
YouTubeではアンケルヴァニラランモドキの解説もしています。
6分お時間のある方は、ぜひ!